第6回 日本図書館協会九州地区図書館の集い/図書館総合展フォーラム2013 in 熊本参加レポート

2013年1月28日(月)に開催した 第6回 日本図書館協会九州地区図書館の集い/図書館総合展フォーラム2013 in 熊本 につき、参加者である赤山みほさん(筑波大学大学院)より参加レポートをお寄せいただきました。

ご執筆・ご寄稿いただいた赤山さんに心より御礼申し上げます。

第6回 日本図書館協会九州地区図書館の集い/図書館総合展フォーラム2013 in 熊本参加レポート

執筆:赤山みほ(筑波大学大学院)

図書館業界では注目されている九州地区で、図書館総合展のフォーラムがあるというのを知り、参加させていただきました。九州のなかでも先進的な取り組みとして取り上げられている図書館や大学の方々を講師として迎えられ、6つの分科会が開催されました。すべての講演を拝見できればしたいと思える内容でしたが、同時に3会場で開催され、1分科会1時間の2部構成のため拝見できるのは2講演だけと制限があり、とても残念でした。

私が参加した分科会は「初年度入館者100万人の仕掛け-くまもと森都心プラザ図書館」、「市民と協働する図書館づくり-伊万里市民図書館」です。

「初年度入館者100万人の仕掛け-くまもと森都心プラザ図書館」(講師:田中館長)では、くまもと森都心プラザのコンセプトやいままでの取り組み、サービスのうえで心がけていること、などのお話が聞けました。

私が中でも印象的だったのは、スタッフを歩かせて導線を考えて作ったという書架の配置についてのお話です。実際に書架配置図をみて場所に行ってみると、よく考えられて作られていることがわかります。

図書館は、くまもと森都心プラザの3階、4階にあり、3階の入り口はいってすぐ右手の見える位置にカウンター、目の前に検索用端末、左手には児童用スペースと書架、それを見渡せる位置に児童用カウンターがあります。4階には、ビジネス支援のカウンターがあり、そのすぐ前にはビジネス関連の書架とビジネス雑誌の書架がありました。児童用カウンターの位置は子どもたちを安全に見守るために、ビジネス支援のカウンターは相談しながらすぐ資料が利用できるように工夫がされていることがわかりました。

館長のお話の中で「図書館員のための図書館ではない図書館」を目指した、利用者目線にたった図書館を作りたかった、とおっしゃられていて、それがまさに書架で実現されていました。
「市民と協働する図書館づくり-伊万里市民図書館」(講師:古瀬館長)では、いかにして市民を巻き込んできたか、どうやって行政へ図書館の必要性をうったえてきたかなどのお話が聞けました。

古瀬館長は元々公務員として働かれていた方で、バブル崩壊直後から市民参画にご興味があり、ヨーロッパなどへ視察をされていたそうで、まちづくり条例の策定などにも関わられておられたそうです。

古瀬館長は、「市民のための図書館を作るためには、市民が自分たちの図書館という強い思いを持つことが大事である。市民へどんな図書館がほしいのか問いかけた、わからないと言われた、だから図書館を研究するために勉強会をして、市民と一緒に考えた、それが伊万里市の市民協働である。いまは、その勉強会がライブラリーフレンド(友の会)になっている。図書館が自分たちのものであると市民が思えば、図書館が大変なときには友の会が強力な助けになる。図書館が目指すものを明確に掲げて、市民にミッションを伝えていくことが大事だ」、とおっしゃられていました。

市民参加というと、市民にボランティアをお願いして選書や図書館サービスの一部をやってもらうといった印象がありました。また、市民のための、というと貸出サービスが中心となりがちだと考えていました。しかし、伊万里市民図書館では、どのような図書館にしたいかを、図書館と市民が一緒に考えていくことで、図書館のミッションが明確となり、結果として地域の活性化につながっているとのことで、いままでの私の抱いていたイメージを塗り替えられました。

分科会でお話を聞かせていただいた館長お二人のお話には、指定管理と直営という対照的な図書館の管理運営形態でありながら、共通する部分がありました。それは、図書館のミッション、コンセプトが明確であることが大事だ、ということです。分科会の前に開かれたパネルディスカッションの中でも「図書館のミッションが明確でないところが多いのではないか」とのお話がありました。図書館が行政をサポートしていること、市民に必要とされていること、これが説明できることが大事だとおっしゃっていました。

今回の図書館総合展in熊本はチームからしれんこんという九州地区在住・在勤・出身の図書館関係者によって支えられていたそうです。ポスター発表を拝見しました。みなさま、ボランティアだそうで、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

また、企業ブースの出展もあり、株式会社金剛のブースではアンケートに答えるとくまモンのブックエンドがもらえました。すべてのブースを回ることはできませんでしたが、協賛・協力された企業の方々から図書館に対する期待を感じました。このような会が開催された、できたのも企業のみなさの協賛・協力あってのことだと思います。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

懇親会では、たくさんの方々とお話させていただき、とても勉強になりました。学生をやっている身では、とても普通に知り合うことのできない企業の方々や図書館員の方々とお話できて光栄でした。そして、フォーラムはもちろんのこと、図書館について活発に議論ができ、現場の方々とお話できる場を提供していただいたことに深く感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。