貴重資料とデジタルアーカイブ-図書館の枠組みをこえた新しい資料公開・保存方法の提案

貴重資料とデジタルアーカイブ-図書館の枠組みをこえた新しい資料公開・保存方法の提案

日時:2011年11月22日13:30~14:30
場所:第6会場
主催:雄松堂書店/大日本印刷株式会社/インフォコム/インフォマージュ
講師:
 小島浩之さん(東京大学講師・経済学部資料室長代理/コメンテーター)
 清水拓哉さん(大日本印刷)
 吉田勇二さん(インフォコム株式会社)
 綿引雅俊さん(株式会社インフォマージュ)
 池田尚登さん(雄松堂書店)

概要:全国各地の大学、研究期間、図書館、文書館、企業の資料室などで大切に保存されてきた貴重資料-あらゆる文献のデジタルアーカイブ化が提唱される中、これらの貴重資料も例外ではなく、各地でデジタル化に対する取り組みが進められています。しかしその一方で、デジタル化の費用を確保できない機関、あるいはデジタル化はされているが、利活用が進まないデータベースを抱える機関も数多く存在します。雄松堂書店、丸善、大日本印刷が3年の構想機関を経て開発したJ-DAC(ジャパン デジタル アーカイブ センター)は、貴重資料のデジタル保存から公開、利活用の促進までをトータルサーポートします。このフォーラムでは東京大学経済学部の事例をもとに、貴重資料の新しい公開・保存方法をご提案します。
フォーラム詳細:http://2012.libraryfair.jp/node/899
  

構成

  • 「貴重資料とデジタルアーカイブ-図書館の枠組みを越えた新しい資料公開・保存方法の提案 DNPグループの立場から」(大日本印刷株式会社 清水拓哉さん)
  • 「J-DAC-新しい貴重資料の公開方法」(雄松堂書店 池田尚登さん)
  • 「マイクロフィルムのデジタル化について」(株式会社インフォマージュ 綿引雅俊さん)
  • 「Japan Digital Archives Center向けシステム構築への取り組みについて」(インフォコム株式会社 吉田勇二さん)
  • 「貴重資料とデジタルアーカイブ-図書館の枠組みを越えた新しい資料公開・保存の方法」(東京大学 小島浩之さん)
  • まとめ
  • 質疑応答
      

その他の記録

「貴重資料とデジタルアーカイブ-図書館の枠組みを越えた新しい資料公開・保存方法の提案 DNPグループの立場から」(大日本印刷株式会社 清水拓哉さん)

  

はじめに

  • 開発に至るまでの経緯・構想について、アーキビストという立場から紹介する
      

DNPグループについて

  • 概要
    • 設立:1876年(創業136年)
    • 資本金(2012年3月時点):1,144億円
    • 年間売上(2012年3月時点):1兆5,072億円(連結売上)
    • 従業員数(2012年3月時点):39,986人(連結)
    • 営業拠点数(2011年3月時点):国内47ヵ所、海外25ヵ所
    • 製造拠点数(2011年3月時点):国内59ヵ所、海外12ヵ所
  • 事業展開
    • 情報コミュニケーション部門、生活・産業部門、エレクトロニクス部門、清涼飲料部門の4つの事業領域がある
    • 印刷を軸として、幅広い事業を展開
  • 事業ビジョン
    • 2001年:創業以来培ってきた印刷技術「Printing Technology」と1970年代から取り入れてきた「Information Technology」を組み合わせて、DNP独自のソリューションを提供していく
    • 経営理念:21世紀の創発的な社会に貢献すること
  • DNPが考える出版流通改革
    • ビジョン:「教育・出版流通市場の活性化」及び「日本とグローバルの知の生成と発展」に尽力し、国家の礎となる「創発的な知のインフラ創り」に貢献する。
  • 業務提携先
    • 様々な業務を請け負っているため、業務提携先も多岐にわたる
    • 丸善CHIホールディングスを中心として、様々な企業と業務提携
      h3. DNPの教育・出版流通事業領域
  • ハイブリッド出版ソリューション事業
    • コンテンツホルダーに対し、生活者が望む知(コンテンツ)を望まれる形態で提供できるよう制作し、製造・流通コストが最小となり、売上・利益が最大と成るソリューションを提供する事業
  • ハイブリッド型総合書店事業
    • 生活者が知と出会う機会を拡大させ、知を望む形態、望むチャネルで選択・獲得(購入)できる書店機能を実現することで、集客率・購買率・客単価を向上させるコンテンツ販売事業
  • ハイブリッドコミュニティ機能
    • 出版者が、生活者の属するセグメントされたコミュニティを分析してニーズを収集し、最適な知を提供できるように支援する機能
  • ハイブリッド出版流通プラットフォーム機能
    • コンテンツホルダーが持つシーズと生活者のニーズを結びつけ、双方向に情報の伝達とモノの流通を支えるプラットフォーム機能
  • 今回はこの4つの中でも「ハイブリッド出版流通プラットフォーム機能」について扱う
      

DNPと丸善CHIグループ(丸善・雄松堂書店)協力事業

  • 2012年4月アーカイブ型コンテンツ配信サービス「Japan Digital Archives Center (J-DAC)」が提供開始
  • J-DACとは?
    • 丸善CHIグループにおける「丸善」「雄松堂書店」という『目利き』が所有・販売してきた貴重資料・貴重書をデジタルコンテンツ化し、有償にて配信するサービス
    • 元々はマイクロフィルムをデジタル化できないか、そしてデジタル化するのならもっと便利な形で提供・利用できないか、という利用者の声から
    • 丸善、雄松堂書店、大日本印刷、インフォマージュ、インフォコムという5つの会社の協力でできている
    • グループ内における目利きがセレクトしたコンテンツを、利用者の視点にたって、利用者にとって使いやすい形という付加価値をつけて、有償で見せるサービス  

J-DACの基本構想と事業内容

  • 基本構想:人文社会学術系歴史資料に特化した学術情報ポータルサイト
  • ミッション
    • 貴重資料の発掘及び電子化による研究資源の共有化
    • 研究者コミュニティへの支援
  • 主な事業内容
    • 貴重資料のアーカイブ化
      • 自社コンテンツ及び全国の大学図書館・企業資料館などが所有するマイクロ等資料のデジタル化推進
      • 研究者の協力の下、DBごとにエディトリアルボードを編成し、資料の特徴に適した検索システムを構築
    • 研究者コミュニティとの連携
      • 関連学会ホームページ支援
      • 研究関連情報の共有化
  • J-DACはマイクロフィルムをただデジタル化するのではなく、利用しやすい形で何かしらの付加価値をつけたいと考えていた
    • 研究者コミュニティへの支援や連携は新たな付加価値の一つ
  • デジタル化はあくまで現状保存の手段の一つ
    • 利活用できる形で提供することが初めて「保存」といえるのではないか
        

図書館の枠組みをこえる

  • 図書館の様々な所蔵機関の課題
    • ニーズの多様化
      • 利用者の閲覧環境の変化:パソコン、タブレット端末など
    • 継続的なデジタル化/情報公開・保存のための資金確保
    • 情報セキュリティマネジメント
  • J-DACは貴重資料を研究対象とする利用者に対し、資料特性に合わせた利用環境を提供
    • 必要な方々へ、必要な情報を
        
        

「 J-DAC-新しい貴重資料の公開方法」(雄松堂書店 池田尚登さん)

  

はじめに

  • J-DACの成立の過程と今後の展開について話す
      

従来のビジネスモデル

  • 今まで雄松堂書店では、コンテンツホルダー(資料所蔵機関)から所蔵資料使用料を支払って貸与された資料を元にマイクロフィルムを作り、国内外の研究者に有償配布をするというビジネスモデルを築いてきた
      

マイクロフィルムのメリット

  • コンテンツホルダーのメリット
    • 頒布による所蔵資料の利用率の向上
    • 複製による情報の保存率向上
    • 原本の状態維持
  • ユーザのメリット
    • 閲覧手続きの省略
    • 所蔵期間に関係なく閲覧可能
    • コピーの容易化(リーダープリンター使用時)
  • このようなメリットのあるマイクロフィルムを使ったビジネスを50年以上やってきたが、今現在マイクロフィルムの限界に直面している
      

インターネットの発達とマイクロフィルムの限界

  • マイクロフィルムの問題点
    • 保存の難しさ:湿度の調節などが必要
    • マイクロリーダー取扱い業者の減少
    • 検索機能の欠落
  • このような問題点を受けて、オンラインによる資料提供へのニーズが増加
  • このニーズを受けて、マイクロフィルムのデジタル化への動き
  • しかし単なるデジタル化ではなく、利用者にとっても利用しやすいデジタル化をしたいと考えた
  • そこからできたのがJ-DAC
       

企業資料統合データベース(Business Archives Online)

  • J-DACの第一弾として今年4月にリリース
  • 3つのデータベースから成り立つ
    • 営業報告書データベース、目論見書データベース、有価証券報告書データベース
  • メリット
    • 今までだと一つの企業の資料を体系的に見たい場合は抄録を見る必要があった→BAOなら企業名で検索するだけでOK
    • 企業辞書により、企業の統廃合などにも対応
        

企業辞書

  • 企業辞書とは
    • マイクロ版「営業報告書集成」の販売開始から、雄松堂が45年以上整理し続けてきた情報の結集
  • 商号変更、資料の種類に左右されない徹底した横断検索が可能
  • 企業辞書を経由することで、体系づけされた検索結果を得ることが出来、研究スピードが上がる
       

J-DACの全体構想

  • 「企業資料統合データベース」はJ-DACの一部にすぎない
  • 現在公開しているのは「企業資料統合データベース」のみだが、今後分野ごとにデジタルコンテンツとして配信
  • コンテンツホルダーに資料を貸していただき、デジタル化
    • 公開後はコンテンツホルダーに使用料を払う
        

J-DACによる配信のメリット

  • コンテンツホルダーのメリット
    • デジタル化された貴重資料の利用率向上
    • 原本の利用率向上
    • 原本により近い形での複製保存
    • デジタル化費用、データベース維持費の削減
  • ユーザのメリット
    • 検索性の向上
      • 資料との思いがけない出会いを提供
    • オンラインアクセスによる利便性
    • 画像最適化によるプリントアウトの容易化
         

オンライン配信の課題

  • 貴重資料のデジタル化またはデータベース構築にかかる開発費やデータベースの維持費などの費用の確保が難しい
    • J-DACに格納することでコストを削減し、レベニューシェアによって次のデジタル化費用を確保
  • Open Access=公益性を維持しながら、デジタル化された貴重資料の利活用を促進したい
    • コンテンツ集約型+メタデータ集約型
        

メタデータ集約型モデル

  • J-DACに様々な所蔵期間の持っている資料のメタデータを集約
  • エンドユーザーはJ-DAC上で検索
    • 閲覧は各機関のデジタルアーカイブで行う
         
        

「マイクロフィルムのデジタル化について」(株式会社インフォマージュ 綿引雅俊さん)

  

会社紹介:インフォマージュについて

  • 株式会社へ改組して65周年
    • 老舗のマイクロフィルムラボ
  • 高橋写真製作所⇒高橋写真⇒高橋情報システム⇒インフォマージュ
  • マイクロフィルムラボ
    • 従来の作業
      • フィルムを使用した複写業務全般
    • 現在
      • デジタル機器を使用したデジタル変換サービス
      • デジタル機器による複写業務全般
  • 複写対象:あらゆる分野の貴重資料
    • 劣化した古文書や大型本なども対象
    • 独自性の強い機材や作業が発達してきている
         

要件、作業工程

  • 要件
    • マイクロフィルムをデジタル化し、デジタル化した画像、入力データを既存リストに正確に当て込む
    • コマ数180万、レコード数16万
  • 作業工程
    • マイクロフィルムスキャニング
    • 画像から要件項目入力
    • 検証 リストのマッチング
    • 懸賞情報を元に画像編集
         

マイクロフィルムスキャニング

  • 従来
    • 1コマごとのスキャニング
    • ブリップマーク区切り、コマ間長さの区切り設定、濃度差によるエッジ区切り
  • 現在
    • マイクロフィルム1本分を帯状にスキャニング
    • 帯画像からのコマ抽出
      • スキャン漏れ、画像ズレがない 再スキャニング減少
  • ほこり、ゴミ対策
    • フィルム上の極小のほこりでも画像をモニター表示すると大きなゴミに
    • クリーンルームを完備し、クリーンルーム内でのスキャニング作業により対処
         

入力、検証内容

  • 入力内容
    • 表紙情報、会社名、回次、開始年月
    • 入力箇所によりレコード区切りを設定
    • 表紙などに全て情報が書いてあるわけではない。画像から探していく、手間のかかる作業
  • 検証
    • 提供リストデータとレコード区切りのマッチング
      • 会社名、回次、開始年月の区切り検証
      • 複数回次・合併号の区切り箇所
      • 会社名変更等による回次の戻り
    • ここでも検証が必要。資料によって様々な特徴がある。間違いがないように1件1件確認
    • 限られた少人数で、精度の高い能力を持つ人がチェック
  • 画像編集
    • 検証情報を元に画像編集
        

デジタル化の流れ

  • 1. 貴重資料・マイクロフィルム
  • 2. デジタル撮影またはマイクロフィルムスキャニング
    • デジタル撮影は大変気を使う作業
  • 3. デジタル画像
  • 4. 閲覧・活用または保存
      

マイクロフィルム、カメラの特徴<スライド>

  • フィルム
    • 主に100フィート、35mmフィルムサイズ撮影で500コマ格納
    • 文書の判読に特化した特性
      • コントラストが高く、白黒はっきり写る
  • 複写の効率化に特化した撮影の仕組み
    • 撮影される画角が投影できる
      • 一般的なカメラと異なりファインダーを覗いて確認する必要がない
    • 長尺のフィルムを使用しフィルム交換の手間を少なくする
      • 一般的なフィルムは36コマ格納
    • 最大A0サイズまで1コマで撮影可能
  • 技術と経験が必要:職人の仕事
    • 現像しないと画像が見られない
      • 撮影不良が起こっていても撮影中はわからない
    • フィルム特性により適正濃度の調整が難しい
    • ピント調整、試料の高さ調整をまめに行う必要がある
        

デジタル化のための入力機器

  • デジタルカメラ
  • ブックスキャナ
  • ドキュメントスキャナ
  • マイクロフィルムスキャナ
      

ブックスキャナ

  • 図書・書類等一般資料の撮影に使用
  • 特徴
    • 図書複写の効率化に特化した撮影の仕組み
      • 上向きスキャニングが可能
      • 基本的にブックフォルダ、シーソーが標準装備されており、本の跳ね返りや厚みに対応している
      • 高解像度のセンサーにより判読性に優れた画像を得られる
    • 資料大賞が限定される
      • 基本的にA3サイズまでというものが多い
      • 資料外にはみ出る付箋や折込資料の場合セット内での引き回しはできない
      • 対象資料の厚さに制限がある
          

その他の複写撮影装置

  • ブックフォルダ、L字クレードル
    • 新たに作成
  • デジタルカメラ
    • 大判の絵図・古地図の撮影
    • 立体物(屏風・壺)などの撮影
        

デジタルカメラ複写装置特徴

  • マイクロフィルム撮影装置、カラーフィルム撮影の発想を応用し、資料対象に制限がなく、資料保全を考慮した自由度の高い複写が可能
    • あらゆる貴重資料を撮影してきた経験を元に独自でガラスおさえのセットを作成
    • カバーが固く見開き撮影ができない洋書等に対応する資料置台
    • 大型の絵図を移動させずカメラを移動させ分割撮影可能なアーチ状のセット
    • 立体物の撮影
  • デジタルカメラの品質の向上も今現在この撮影を行える一つの要因となっている  
      

「Japan Digital Archives Center向けシステム構築への取り組みについて」(インフォコム株式会社 吉田勇二さん)

  

インフォコムについて

  • 会社概要
    • 会社名:インフォコム株式会社
    • 代表者名:代表取締役社長 兼CEO 竹原教博
    • 主要株主:帝人株式会社55.1%
    • 資本金:15.9億円(発行済み株式総数144,000株)
    • 業績:連結売上高364.9億円、経常利益34.0億円(2012年3月期)
    • 本社:東京都渋谷区神宮前2-34-17
    • 主要拠点:東京、大阪、横浜、岡山、福岡、ニューヨーク
    • 従業員数:673名(単体)、1,188名(連結)※2012年3月末現在
  • 様々な形態に即したソリューションを提供
      

デジタルアーカイブへの取り組み

  • 日本のデジタルアーカイブのスタンダードを作ってきた
    • メタデータレジストリ
    • デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン作成
  • インフォコムは、資源記述に関する学際的ワークショップとして設立されたDCMI(Dublin Core Metadata Initiative)唯一のPlatinum Partnerとして、DCMES(Dublin Core Metadata Element Set)のシステムへの実装を推進する
      

「J-DAC」構想への参加の経緯

  • インフォコムがJ-DACのメンバーとして選ばれた理由
    • 「大規模デジタルアーカイブシステム構築の実績」
      • 蓄積してきたノウハウを最大限に活かす
    • インフォコムはこれまでに150を越えるデジタルアーカイブシステムを構築してきた。これらの実績で得たノウハウと知見を、J-DACシステム構築へ活かしている
  • J-DACシステム概要
    • 概要に関しては「 J-DAC-新しい貴重資料の公開方法」(雄松堂書店 池田尚登さん)で触れて頂いたため省略
    • 今後異なる分野も含めて、順次データベースが追加されていく予定
        

直面した課題と解決策

  • 異なる種類のコンテンツのデータベース化
    • J-DACには様々な種類のコンテンツが集約される
    • ⇒包括的なアーカイブ構築のノウハウが求められる
    • 1. コンテンツごとに異なるメタデータフォーマット
    • 2. 将来のデータベース追加
    • 以下を実現するシステム設計
      • メタデータ形式の自由度
      • データベースの拡張性
  • 分野に特化した検索機能
    • コンテンツ種類に特化した検索機能が必要
    • ⇒データベースの単位を意識させない検索の仕組み、表示方法が求められる
    • 1. 複数コンテンツを一括検索
    • 2. ユーザ視点の検索方法
    • 以下を実装するシステム設計
      • コンテンツ特化型検索機能
      • 企業辞書検索機能
  • ポイント:「システムの柔軟性・拡張性」「各分野に特化した機能」の両立
       

InfoLibについて

  • 「InfoLibシリーズ」
    • オールインワン・パッケージ「InfoLib-DBR」
      • インフォコムの技術とノウハウのエッセンスを集約したオールインワン・パッケージ
      • このパッケージひとつで貴重書データベースからリポジトリまで幅広く構築できる
    • 個別開発「Info Lib基本パッケージ」
      • InfoLib-META
      • InfoLib-EDIT
      • InfoLib-USER
    • 横断検索
      • InfoLib-GlobalFinder
      • InfoLib-PMH
    • クラウド型サービス
      • InfoLib-ASP
          

「InfoLib-DBRバージョンアップ」機能の紹介

  • 特長
    • 簡単な操作でデータベース構築
    • 自由度の高い検索機能
    • 多様な画像表示
    • 複数のデータベースの横断検索も可能
    • 外部システムとの連携
  • 機能概要
    • データベース管理機能
    • データ登録機能
    • コンテンツ管理機能
    • 検索機能
    • 個別検索機能
    • 横断検索機能
    • データ編集機能
    • 利用者管理機能
    • 辞書データ登録機能
  • 主な機能
    • 目録データ登録
      • CSVデータに登録設定用の項目を追加してアップロード、登録するだけですぐにデータベースを作成することが出来る
    • 画像データ登録
      • Webブラウザ上から画像ファイルをドラッグ&ドロップして、目録データと一緒に公開することができる
      • 一括登録も可能
    • 検索画面作成
      • 登録CSVデータの編集で様々な縁咲くインターフェースを作成することができる
    • 画像表示
      • 様々な画像表示機能を標準装備
      • 詳細表示では画像の拡大・縮小・移動をマウス操作で自由自在
    • 横断検索機能
      • データ構造の異なるデータベースを複数作成することができるので、将来的にデータベースを追加し、拡張していくことが出来る
      • 作成したデータベースの横断検索画面を作成することができる
    • 利用統計機能
      • 利用者数、アクセスランキング、利用者の検索方法、利用者の接続元、等様々な利用状況を月別、年別に集計しグラフを交えわかりやすく表示。表示された統計データをCSV形式でダウンロードもできる
          
          

「貴重資料とデジタルアーカイブ-図書館の枠組みを越えた新しい資料公開・保存の方法」(東京大学 小島浩之さん)

  

はじめに

  • コメントということで、みなさんの話を聞きながら何を話すか決めた
  • キーワード
    • 資料を保存するということはどういうことなのか
    • マイクロフィルムのデジタル化

媒体の歴史-モノはなぜ残るのか?

  • 媒体の歴史を見ていくと、世界に残る記録媒体で最も古いのは「紙」、次に古いものは「マイクロフィルム」、三番目は「レコード」
  • モノはなぜ残るのか?:ヒトの意思
    • 「残す」というヒトの意思がなければモノは残らない
    • 原本が残っていることは稀。誰かが残そうと考えて、媒体変換をしてきたから残っている。
    • 媒体変換:口伝、木・竹簡、布、石、紙(写本、刊本)
  • 資料を保存するということの最も原始的な形は、書いてある情報「そのもの」を後世に伝える、情報が一番なわけであり、媒体の劣化は本質として問題でない
      

複製物は資料的価値の低いものか

  • 原本がいつも残るとは限らない
  • 古典籍のオリジナル:原本は残らない。複製物として残ってきた
  • 現代における資料消滅の危機
    • 個人所蔵資料⇒相続、売却 ヤフオクで売り払われる貴重資料
    • 機関所蔵資料⇒機関の消滅 組織が変わることで資料は失われていく
    • 全ての資料⇒災害(ex. 東日本大震災)
  • ⇒原本が消滅すれば複製物が原本に変わる価値を有する
      

保存ニーズ-私たちは何を残すべきか

  • 保存ニーズ
    • 「モノとしての状態」「現物として残す必要性」「利用の頻度」の3つの要素ではかる
  • 「利用の頻度」の意味
    • 本来:利用の頻度が高いものは壊れやすい
    • 間違った意味:利用の頻度が高いものほど重要
  • ロングテール
    • 利用頻度の高いものほど図書館に所蔵すべきだという風潮
    • けれども利用頻度の低いものでも、数が増えれば増えるほど利用者は増える
      • ⇒ロングテールの実現
    • たくさんの資料を提供するためには、デジタル化で数を増やしていく
    • 利用させる保存という意味であれば、デジタル化という形を撮らざるをえないのではないか
  • 図書館の武器
    • 著作権法第31条で保存のための複製が認められていること。堂々と行使すべきではないか。
    • 書誌学的、目録学的試行→モノがわかるはず?何を残すべきかの判断ができる
    • 図書館ネットワークの存在(書誌ユーティリティー、共同分担目録、ILL)
    • 原本所有(所有権の行使)の強み
    • 圧倒的な情報蓄積量:利用させるための保存。
  • 現代は、為政者の歴史だけでは歴史を語れない。企業も歴史として語る必要がある。そのため企業資料は貴重資料。前近代には為政者にしか与えられていなかった保存するという権利を、現在は図書館が付与されている。私たちは現代の物を後世へ伝える必要がある。だからこそ現代のものであっても、貴重資料となる。
  • 情報を後世に伝えられるのは自分たちだけなのであるという自負を持つべき。
      
      

まとめ

  

  • 清水拓哉さん(大日本印刷株式会社)
    • 今回図書館だけでなく博物館の方も来てもらっている。こういう場がMLA連携のきっかけとなれば
    • 今回様々なフォーラムを聞いたが、その中で「日本の情報が海外にこれだけ求められている現状を、どこもリーダーシップをとってやろうとしていなかった」という言葉があった
    • 私は、本当に価値があるものを無闇矢鱈に公開するのではなく、価値が分かる人に提供していくシステムが役に立つのではないかと考えている
    • 災害に関して、現物がなくなってしまっている現状について。現物をとっておくことは大切だが、デジタル化されたものや複製物が残っていることで所謂情報が後世に伝達できるという事例について、インフォコムさんは東日本大震災のプロジェクトにも関わっているので実例を教えていただけたらありがたい
        
  • 吉田勇二さん(インフォコム株式会社)
    • 昨年3.11の震災後、どのように資料を残すかという議論が盛り上がったが、実は昨年の地震が起こる前から、郷土資料を残そうという自発的なネットワークが一部で行われていた。その中の宮城県の歴史ネットワークのNPOの皆さんが郷土資料をデジタル化していた。その後3.11で資料は流れてしまったが、現在デジタル版は残っている。いつ原本がなくなるかわからないため、今ある資料を残しておくことも重要。
        
  • 清水拓哉さん(大日本印刷株式会社)
    • デジタル化が進んでいるところもあると思いますが、デジタル化をしようと思っても予算の目処がなかなかつきにくくて困っているという方はいらっしゃいますか?居ないようですね。皆さん予算が潤沢なようで(笑)
    • 科研費や助成金という形で助成する手段もあるのだけれども、今回伝えたかったのは雄松堂さんのビジネスモデル 目利きが居ることで成り立つビジネスではあるけれども、
        

  • その意味において、たとえばここで得た収益・対価をレベニューシェアでコンテンツホルダーさんにお支払いする、また新たな公開方法の模索・比較検討だったり、継続的な事業として続けていくきっかけになればなと考えている。
      
      

質疑応答

  

  • 山田さん
    • J-DAC、とてもわくわくする、是非使ってみたいシステムだと感じた。
    • 現在資料のデジタル化を進めている。その中で、著作権処理というものがハードルとしてある。特に近代の資料などでは著作権処理がとても難しいと思うが、例えばJ-DACでは著作権処理の情報などを提供することについてはどう考えるか。
        
  • 清水拓哉さん(大日本印刷株式会社)
    • J-DACでは、NDLや丸善さんやTRCさんのグループの取組みとしてやらせてもらった。著作権処理は私たちの業務ではなかったが、著作権情報の確認はやっていた。その流れを見た中で、著作権処理をソリューションとして請け負うことは可能であると考えている。
        
  • 山田さん
    • デジタル化という具体的な作業について。量の多い資料ではなく、本一冊、アルバム一冊といった小ロットになるとコストが大きくなるのではないか。またコンテンツホルダーはメリットをあまり考えずに資料を提供するのか。
        
  • 綿引雅俊さん(株式会社インフォマージュ)
    • 確かに大きなロットになると金額は下げられ、小さなロットは金額が上がる。ただインフォマージュは困っている方には手助けを、と考えているため、小さなロットでも色々方策を練ってご協力できたらと考えている。
        
  • 池田尚登さん(雄松堂書店)
    • J-DACの運営管理の立場からコンテンツホルダーのメリットについて。デジタル化のひとつの特徴として、様々な資料をひとつの場所に集めて、今までになかったような魅力を持たせて一つのコレクションにするということが可能であるということがある。極端な話をすれば、どんなに小さなものでもいくつか共通性を持たせてコレクションとして築き上げられるのであれば、こちらでお金を出してデジタル化することもできる。いくつかのコレクションを集めて(たとえば個人からも)一つのコレクションにしている。デジタル化の場合もそういうことができるのではないか。
        
        

(執筆:水上柚香子)