【プレフォーラム】デジタルネットワーク社会における学校教育と図書館-電子書籍を読み、タブレットでノートを取る時代に、図書館は何をすべきか? レポート

フォーラムレポートは、速報性を重視し、主にテキストのみで簡易的にフォーラム内容をお伝えするものです。
フォーラムレポートで興味を持っていただけたら、放送局でのUSTREAM配信や、プレゼンテーションスライドを含めたより詳細な電子書籍を発行する予定なので、そちらもご検討ください。
  

デジタルネットワーク社会における学校教育と図書館-電子書籍を読み、タブレットでノートを取る時代に、図書館は何をすべきか?

  
日時:2012年11月19日(月)14:00-16:00
場所:横浜市立中央図書館
主催:図書館総合展運営委員会
協力:横浜市中央図書館
パネリスト: 淺野隆夫さん(札幌市中央図書館業務課情報化推進担当係長) 伊藤史織さん(玉川学園学園マルチメディアリソースセンター司書教諭) 佐藤和紀さん(東京都北区立豊川小学校教諭) 佐藤喜信さん(株式会社内田洋行教育総合研究所研究推進部研究推進課課長)
コメンテーター:
 河西由美子さん(玉川大学通信教育部・教育学部准教授)
コーディネーター:
 野末俊比古さん(青山学院大学教育人間科学部准教授)

概要:「近未来」の授業はどうなるのか、図書館には何ができるのか、最新の取り組みから探ります!
フォーラム詳細:http://2012.libraryfair.jp/node/824
  

  

フォーラムの内容

  • 開会挨拶
  • 趣旨説明
  • 淺野隆夫さん(札幌市中央図書館業務課情報化推進担当係長)
  • 「ICTを活用した授業とマルチメディアリソース・センターの連携」伊藤史織さん(玉川学園学園マルチメディアリソースセンター司書教諭)
  • 「電子書籍を読み、タブレットでノートを取る時代に、図書館は何をすべきか?」佐藤和紀さん(東京都北区立豊川小学校教諭)
  • 「教育用ICTの開発・普及の現状や展望~国内外の動向、「近未来」の予想図~」 佐藤喜信さん(株式会社内田洋行教育総合研究所研究推進部研究推進課課長)
  • コメンテーターの感想 河西由美子さん(玉川大学通信教育部・教育学部准教授)
  • 質疑応答
      

図書館総合展運営委員会委員長挨拶

  • 明日からパシフィコ横浜で3日間、バスツアーを含めて4日間、図書館総合展が開催される
  • 横浜に移してから9年、今年はフォーラム、ブース的に最大規模となっている
  • 今回のテーマは今まであまり触れてこなかった。それをあえてプレフォーラムに選ばせていただいた
    • 学校教育、学校図書館にもっと光を当てる必要があるのではないか
         

横浜市立中央図書館館長挨拶

  • 明日から総合展ということで、少し心配だったが、こんなに多くの方にご来場いただき感謝しております
  • 横浜で開催される図書館総合展に対して、何かできないかと考えていたので、このフォーラムを開催する運びとなった
  • フォーラム開催前に中央図書館見学ツアーを行い、40名近くの方に参加いただいた
    • 横浜市立図書館は昨年開館##周年を迎えた。現在の建物は平成6年に建築されたもの
  • 時代に合わせた、市民に愛される図書館にしていきたい
  • ぜひ、総合展期間中にご来館ください
      

趣旨説明 野末俊比古さん(青山学院大学教育人間科学部准教授)

  • 授業でiPadなどを利用する光景をご覧になることがあると思います
    • 様々な取り組みが行われている
  • しかし、そこに図書館が出てこない
    • 図書館にはコンピューターなどノウハウがあるはずなのに、なぜか出てこない
    • これがこのフォーラムの出発点となっている
  • ITだけでなく様々な、取り組みがなされる中で、じゃあ図書館は何をすべきか、何ができるのか
    • 今日はこのことを考える場としたい
    • 公共図書館、学校図書館、教員、企業(開発・研究)など、様々な立場のパネリストの方から発表していただく
        

淺野隆夫さん(札幌市中央図書館業務課情報化推進担当係長)

  

  • これまではNPO支援などしており、図書館に配属されて2年目になる
    • 図書館に異動になり、図書館は変革の時期だと感じた
  • 今日は、公共図書館が電子書籍、ICTにどのように関わっていけるかという話をする
      

電子図書館への取り組み

  • 平成23年度から電子書籍の実証実験を行った
    • インフラ・デバイスの実験
    • 地域にこだわったコンテンツの提供
    • 電子書籍の特性を活かした利活用も考える
  • インフラ・デバイスの実験
    • パソコン、タブレット、スマートフォンなどのデバイスを利用した実験を、市民や店舗で協力して行った
    • 実験後のアンケートでは73%が電子書籍の提供を希望
      • 実験前より増加
          

学校での利活用実験

  • 小学校5年生の授業で、「家庭のごみ」というキーワードで調べ学習をする際にICTを利用
    • 子どもたちは積極的にタブレットに触り、問題はなかった
  • <電子書籍実演>
  • 検索をかけて、目当ての記事が出た時に、周囲の子どもたちから「おしえて!」の声が** そのやりとりが一つのコミュニケーションになっていた
  • 問題点と改善点
    • テーマ設定を自由にしたため、検索キーワードが事前に想定できず、指導が難しかった
    • 検索機能が充実しておらず、情報を探しにくかった
      • AND検索や類義語などが対応していなかった
  • 2回目の授業での工夫
    • コンテンツを絞ったので、生徒が検索しやすく、また指導する側もテーマ一覧を作って共有した
  • コンテンツが足りないので、インターネット検索も併用した
    • 通常はコンピューター室に移動しなければいけないが、タブレット端末1つで可能になった  

求められるものの変化

  • それまで、ハード(パソコン)・ソフト(Wordなど)だったのが、ハードはパソコンだけでなくタブレットなど多様化し、ソフトは閲覧ソフトになった
    • 加えて、インフラ(無線LAN)やコンテンツ、リテラシーが必要になった
  • 図書館に関係するのはコンテンツ(資料・教科書類)
    • 様々な地域に関する歴史、文化をコンテンツとして利用できる
    • その収集に図書館が役立つのではないか
        

地域資料の活用による特色ある授業づくり

  • 副読本の種類が足りないという学校の状況
    • 選択の余地がない、情報量が限定されてしまう
  • その対応策
    • 図書館で地域資料の電子化を行い教材とする
    • 出版社と連絡し、ニーズを伝える
        

図書館の存在感

  • 資料費削減や古書店との競合から、図書館は「本の館」だけでは存在していけない
  • しかし、住民には望まれ、期待されている
  • 「役に立つ」「あって良かった」事例を積み重ねる
    • その1つが学校教育、学校図書館ではないか
  • 地域のエンパワーメントに繋がれば
      
      

「ICTを活用した授業とマルチメディアリソース・センターの連携」伊藤史織さん(玉川学園学園マルチメディアリソースセンター司書教諭)

  

玉川学園、マルチメディアリソースセンターの紹介

  • 東京都町田市にあり、幼稚園から大学院まで備えている
  • 理念に全人教育を掲げ、6-3-3制ではなく、4-4-4の総合教育を実施
  • ICTに力を入れ、児童・生徒・保護者と教職員が全てアカウントを持ち、ネットワーク築いている(チャットネット)
      

マルチメディアリソースセンター(MMRC)

  • マルチメディアリソースセンター(MMRC)は2006年に開館
    • 学びの場
    • ポリシー:ラーニングスキル育成
  • マルチメディアシアター
    • プロジェクタ及び可動式の椅子・机を備え、授業など多様に利用できる
  • アトリエ
    • 少し小さなスペースなため、少人数授業や、低学年の授業に利用可能
  • 絵本コーナー
    • 小さな子どもへの読み聞かせ会を実施
    • 明るくオープンで、コミュニケーションがとりやすい
  • 映像・音響スタジジオ
    • 台湾との提携校と遠隔授業やテレビ会議を実施
    • 日々の放送や教材制作にも活用
  • メディアラボ(コンピューター室)
    • ノートパソコンを配置し、パソコンに向かうのではなくコンピューターを利用したグループ学習を重視
  • 設備
    • 防音の部屋を設置し、音の出る活動も行える
    • 可動式の机なため、多様な形態に対応できる
  • 資料
    • 51,000冊の蔵書や、Windows・Macの潤沢なコンピューター資源
    • 場所に縛られず、1つの場所で様々な情報資源を利用できる
  • 蔵書検索システム
    • チャットネットで自宅からでも検索可能
    • 館内ではiPadを設置し、検索できる
  • 学習支援として、MMRCユーザーズガイドを作成・配布
    • 5年生以上全員に配布
    • 情報の探し方などを掲載
  • MMRC学習スキル体系化の構想
    • 「学校図書館メディアセンターで育成する一貫教育におけるラーニングスキル体系の構築」河西由美子
    • シラバスを検討して必要な能力を設定
    • 例えば、高学年では批判的な思考を行う能力が必要である等
  • 利用実績
    • 様々な教科で授業に利用される
      • 色々な形態に対応できる柔軟性が評価されている
          

ICT活用が支える探求学習

  • 『学びの技』(探求学習)
    • 学び方を学ぶ授業
    • 中学3年生でラーニングスキルを身につけることを目的としている
    • 先週はポスターセッションを実施
      • 全員がポスター作成・プレゼンテーションを経験した
  • 『学びの技』から自由研究へ
    • 玉川学園の伝統的な総合授業
    • ヴァイオリン制作など約60講座の体験授業を通しつつ、論文執筆を行う
    • この際に、『学びの技』で培ったラーニングスキルが活かされる
    • 他にも、海外の姉妹校とのテレビ会議や、石垣島など遠隔地へのインタビュー、英語のビデオレター制作などを実施
  • ICTを活用することによって、時間的・空間的制約を取り払うことが可能になる
    • 学習の深化や、創造的な活動など、幅が広がる
        

今後の課題

  • 学習スキル育成のカリキュラム作成をいかに行うか
    • 『学びの技』を中学3年生からではなく、もっと低学年からリテラシー教育を実施する
  • 学校図書館は資料の提供や場所の提供、利用指導だけでは不十分
    • デジタルコンテンツなど、資料提供のレベルアップが求められる
    • 学校教育、各教科へのカリキュラムへの関わりが重要
  • 玉川だからできるんじゃないか?という声があるが…
    • そうはいっても仕方ないので、こういう事例を心に留めていただいて、参考にしてほしい
         
         

「電子書籍を読み、タブレットでノートを取る時代に、図書館は何をすべきか?」佐藤和紀さん(東京都北区立豊川小学校教諭)

  

  • 小学校では情報教育に関わっている
    • 普段はあまりかかわりないが、この立場から図書館を考えていきたい
  • 自分の中ではICTは先駆的ではない

  • 例えば教室にあるICT
    • テレビ、プロジェクター、実物投影機、ノートPC、Wi-Fi環境、電子黒板、iPadやiPodなど様々なものが
    • 他の教室から使用していないものをかき集めてきた
        

図書とICTを活用したメディア・リテラシーを含む社会科の授業

  • メディア・リテラシーの構成要素(中橋・水越2003)
    • メディアを使いこなす、理解するなど
  • 小学校の学習指導要領 社会科
    • 「資料などを活用して調べ、歴史を学ぶ意味を考える」
    • 調べるだけでは学力はのびないのではないか
  • メディア・リテラシーを活かして社会科の授業を実践する
      

一ノ谷の戦い:鵯越の逆落しは本当にできたのか?

  • 発展的な学習を行う
    • 問題づくり、学習過程、自分なりのゴールを決める
    • 子どもたち自身関心に取り組む
    • 批判的に資料を読み解く
  • 「一ノ谷の戦い:鵯越の逆落しは本当にできたのか?」ということを、子どもたち自身に考えてもらう
    • 検証するためには、同じ内容を扱っている違う本が欲しい
      • しかし、教室の図書には漫画2冊を含む4冊しかなかった
      • 図書室の蔵書から借りてきたが、それにも限りがある
    • 区立図書館から借りることに
      • しかし、平日の予定的に図書館に行く事はできない
    • 結局、インターネットの中古書店から中古書籍を収拾
    • 関連新聞の記事などもスクラップに
  • 全ての資料を読んで、各自でのその内容を判断する
    • 資料から可否を判断する
    • できるかできないかを、子どもたち自身に意思決定させる。
      • 「できる」「できない」「わからない」それぞれに、資料から読み取った理由がある
  • 矛盾した意見同士を戦わせる
    • 資料を比較して分析的に読むことで、同じ内容でも立場が違うことで結果が違ってくるという体験をすることができる
  • 辞書、教科書、資料集などで分からない単語はインターネットで調べる
    • 最初からインターネットで調べないのは、自由度が高すぎて、どうやって検索すればわからないため
      • 子供は目新しいものが好きなので、iPadに触りたいという欲求が後押しする
      • 1台のiPadを一緒に使う際の、子供の密接な距離が良いコミュニケーションの効果を与えている
  • Google Earthで地形を調べるなどの使い方も
  • 個人のブログを参照することについて
    • 子どもたち自身で賛否の理由を挙げて議論する
  • 見解が違う資料を利用することで、理解や関心を高めることができるのではないか
      

このような実践を行うために必要なもの

  • 社会科の授業で培われる「21世紀型スキル」
    • 創造力、意志決定能力、メディア・リテラシー、批判的思考力、ICTリテラシー、コミュニケーション、コラボレーション、問題解決ツールの利用
  • 必要なもの
    • ICT環境に加えて、司書教諭などが必要
      • 図書館司書がいれば、どのような資料を購入すれば良いのか相談できる
    • インターネットで行政内図書館の蔵書検索システムが欲しい
    • オンラインで貸出しし、配達してくれるシステムが欲しい
        
        

「教育用ICTの開発・普及の現状や展望~国内外の動向、「近未来」の予想図~」 佐藤喜信さん(株式会社内田洋行教育総合研究所研究推進部研究推進課課長)

  

我が国の「教育の情報化」の現状

  • スクールニューディール政策(平成21年度補正予算)
    • 学校のICT化の促進
      • 50インチ以上のデジタルテレビを配置、児童3.6人に1台の教育用コンピュータの配置など
  • 新たな成長戦略ビジョン(平成22年度 原口ビジョン)
    • フューチャースクール推進事業の推進
      • 1人1台のパソコン支給が実現
    • タブレットPCや電子ブックなどの情報通信機器、電子教科書の活用
  • 教育の情報化ビジョン(平成23年4月)
    • 指導者用・学習者用デジタル教科書の開発
    • 高速無線LANなどネットワーク環境の整備
    • ICT支援員の配置・活用など教員サポート、などの方針を提供
  • 日本再生戦略(平成24年閣議決定)
    • ICTを活用した教育に関する実証研究の改善
    • 児童生徒1人1台の情報端末による教育の本格展開
  • 電子黒板の次は、児童1人につき1つパソコンを持つような環境になっていく
      

1人1台情報端末

  • フィーチャースクール推進事業
    • 全国20校(公立)に1人1台にコンピューターを提供し、学びがどのように変化するか観察する
    • 合わせてデジタル教科書などを開発する
  • ICTが活きる授業の形
    • 一斉指導:電子黒板
      • 大きく写して説明する
      • 何を写しているのか?
      • コンテンツとしては圧倒的にデジタル教科書が多い
      • 教科書を利用する授業形態の継続
    • 個別学習での利用:タブレットPC
      • 課題の自動採点が可能
      • 伝えることを意識したノートづくりができる
      • 4年生よりも6年生のノートの方が、色ペンなど工夫して見やすいノートを作成する
    • グループ学習:タブレットPC、電子黒板、授業支援システム
      • 教室の自由なレイアウトに対応できる
      • 子どもたちのモチベーション維持に役だっている
          

デジタル教科書

  • デジタル教科書発行率
    • 発行率は高い
    • 今回の教科書改訂でデジタル教科書が各社から提供された
    • 平成23年度はデジタル教科書元年
  • メリット
    • 拡大表示などで指示が効率的に行える
    • 注目させたいポイントを示して課題の把握や理解が用意に
    • 効率的な板書が可能
  • デメリット
    • 指導用デジタル教科書のガイドラインがない
    • 教科書会社独自に開発を行なっているので、ユーザーインターフェイスなどが統一されていない
    • デジタル教科書が備えるべき機能について検討が必要
  • 学習者用デジタル教科書
    • メリット
      • 教科書の内容をモジュール化し、提示できる
    • 期待
      • 軽量化
      • 補助教材へ多様にアクセスできる
    • 今後の課題
      • 全単元への対応
      • 試行的な取り組みであること
          

諸外国の「教育の情報化」の現状

  • 諸外国の授業でのコンピュータ利用率
    • 国語
      • 韓国:27.4%
      • 日本:1%
    • 日本より韓国のほうが進んでいる
  • 韓国での取り組み
    • スマート教育推進戦略
      • スマート教育による競争力向上を目標にしている
      • デジタル教科書に「教科書」として法的地位を与え、紙に印刷されたものが教科書であるという規定をなくした
    • スマート教育の方向性
      • 教育制度の改革、教員の役割、学校インフラの改善
  • 韓国のスマート教育の実践例
    • デジタル図書館
    • 電子黒板も70インチと日本より大きい
    • テレビ会議
    • 英会話するロボットも
  • 残念ながら韓国のほうが進んでいるが、その分日本にとって学ぶところが多い
  • 文部科学省が情報活用能力調査を検討している
    • 図書館は情報活用能力を育成する鍵になるのではないか
        
        

コメンテーターの感想 河西由美子さん(玉川大学通信教育部・教育学部准教授)

  • 情報やメディア・リテラシーを研究している
  • コメントの観点
    • 教育の情報化のメリット
    • デジタル社会における図書館の可能性、図書館は何をすべきか
    • 情報共有のユニバーサルデザインが考えられているか?
      • シンガポールの図書館では、5年前にすでに「ブックからバイトへ」が実践されていた
  • 学校及び学校図書館における世界的潮流
    • 21世紀型の学習者、学力とは?
      • 情報過多が賢いわけではない
      • 持っている情報をいかに応用できるか
  • 学術情報空間としての学校図書館のコンセプト
    • 資料の庫から学びの庫へ
    • 文部科学省「情報化の推進に対応した教育環境の実現に向けて」
      • 学校図書館はこういう流れに対応できていなかった
  • 流山市の図書館
    • 公立図書館を改装してコンピュータ室を併設
    • このような対応は非常に難しい
  • 先ほどの発表でも、学校図書館で賄えず個人で資料を購入する例も
  • デジタル社会の支援者としての司書の役割
    • 多様な情報源・教材の特性、使い分けのコンサルテーション
    • 学習環境・情報環境の支援
  • 障がいや困難者への支援
    • ディスレクシア(読字困難):文字が湾曲してしまう
    • デジタル化による困難者への読書支援
      • DASYによる読字部分のマーキング等
  • 出版のユニバーサルデザイン、電子書籍化によって救われる人がたくさんいるのではないか
  • Googleを越えて、どう生きていくか?
  • 情報を手に入れるだけでなく、それをどう活かしていくかを図書館は教えることができる
      
      

質疑応答

  

パネリストの感想

浅野/本とウェブは違うと私は思っている。時代に楔を打ち込むようなもの。そういったものが、もっと使いやすくなれば良いのではないか。
図書館にきた知り合いが、「図書館は使いづらい宝の山」だと言っていた。使いやすくなればもっと変わる。

伊藤/ディスレクシアなどの対応は自分たちも取り組んで行かなければならない。

佐藤和/大学のほうで司書教諭の講座にICTの授業が不足しているのではないか。資格取得の過程でそのような要素があれば良いと思う。

佐藤善/今後デジタルリーディングや、ICT活用能力が求められるが、その後ろに資料を読み取る能力が必要になる。

質疑

Q/デジタルフォーマットはどうあるべきか。

浅野/PDFなどをデータ変換した際に、文字の間違いが起こる。使い勝手という意味でも、PDFは固定化されているので、なるべきいろんな形で使える柔らかいフォーマットの方が良いのではないだろうか。
  

Q/司書教諭と各教科の先生との協働はどのように進められているか。

伊藤/玉川学園の場合は、2008年に『学びの技』という授業が始まり、その際に考えてくれる先生がいたので、連携をとるようになった。それ以前は、チャットネットで配信してこういう使い方ができるということなど、教科の先生方にアピールするような活動を行なっていた。
  

Q/今日は歴史の授業の話だったが、他の教科でも行なっているのか。

佐藤和/基本的には国語の授業があり、辞書の読解からスタートしている。どういう言葉を使えばこの問題を解決できるのか、という視点や、批評や分析を行なっている。
  

Q/韓国にできて日本にできない理由は何か。

佐藤善/韓国は日本に比べて3分の1しかなく、小規模であるということ。また、取り敢えずやってみてからエビデンスを出せば良いという考え方の違いがそこにあると思う。
  

(全員へ)
野末/今、図書館がすべきことについて策があればお伺いしたい。

浅野/図書館をどう活用するかという視点が足りない。人材的な交流などをしたい。ただ、学校図書館を頭ごなしに言うのは良くないと思う。

伊藤/学校図書館や図書館の人は、本が好きというよりも、コミュニケーションを重視して働かなければいけないということを、重視していかなければいけない。

佐藤和/司書の先生やICTの側から、各教科の人に、ICT教育のメリットを強くアピールしなければ、先生たちは変わらないのではないか。司書教諭の先生方には、強くアピールして欲しい。

佐藤善/玉川学園のような内容は公立学校では中々うまくいかない。デジタル読解力などは世界的な潮流であるが、現場のことは現場の先生がよく知っているので、そういう方に接触できるよう強くアピールしていただければと思う。
  

河西/欧米のデジタル教科書の普及は日本とは全く異なる。例えば、デジタル教科書を図書館から購入するなど。小学校では、誰が検索を教えるのか。司書教諭などがいないと、ちゃんと上手くいかない。そこでちゃんとやろうよと声をあげていかなければいけない。電子書籍は、これまで届かなかったところに、技術革新により届くようになった。これはすごいことだと思う。
  

野末/今日は様々なお話が出たが、今日を出発点と考えて頂ければ。
これをきっかけに、図書館界と学校教育で何をすべきか、持ち帰って考えてほしい。一つ付け加えるならば、ただ学校教育だというだけでなく、そこで育った人が社会に出ていくことになる。そこに図書館がどう関わっていくことができるか。
どうすればできるか、ということを真摯に考えて欲しい。
本日はご来場いただきありがとうございました。